菅内閣が誕生し、菅政権の今後の株価の動きに注目が集まっています。
また、菅政権の政策というものがどんなものであるか国民の最大の関心事となっています。
株価が今後上向きに転じるかどうかは菅政権がどれくらい長期政権になるかにかかっているとも言われています。
年内に解散総選挙を開催などと噂されていますが真相はどうなのでしょうか。
今回は、菅内閣の政策や株価の動向についてどんなことに着目すればよいか、ポイントを絞ってわかりやすく説明します。
菅政権株価の影響は?
【9/16 菅内閣総理大臣記者会見】「行政の縦割り、既得権益、そして悪しき前例主義、こうしたものを打ち破って、規制改革を全力で進めます。国民のために働く内閣をつくります。」全文はhttps://t.co/BVmndsxRiK pic.twitter.com/avYHfYL3hS
— 首相官邸 (@kantei) September 17, 2020
菅義偉内閣が誕生したことで、株価にどんな影響が出るのか、気にしておられる方も多くいらっしゃると思います。
安倍晋三内閣総理大臣から菅義偉内閣総理大臣に変わったことで菅政権の政策にどんな変化が現れるでしょうか。
また、そのことが株価にどんな影響を与えるでしょうか。
来年には東京オリンピックが開催されるという方向で話が進んでいるということや、アメリカの大統領選挙が11月に控えているということもあり、外国人投資家も日本の総理が交代したということに注目しています。
まず、注目されているのが通信各社の株価です。
菅総理は官房長官時代から「携帯電話料金が高すぎるのでは」と通信各社にプレッシャーをかけていました。
そんなことから、NTTドコモやKDDIなどの通信各社の株価が下がっているようです。
また、「外国人投資家が日本株をどのように見ているのか」についてチェックしておくと、株価の動向をつかみやすいということがあります。
アメリカの有名な投資家であるバフェット氏(バークシャー社)が伊藤忠、三菱商事、三井物産、住友商事、丸紅といった5大商事の銘柄を取得したという報道が流れました。
もともと総合商社の銘柄は、日本独自の経営形態をとっていることから、外国の投資家からは敬遠されるという傾向がありました。
その総合商社株を5社分もまとめて購入したということで、業界では話題となっています。
バークシャー社の資金は潤沢であることで知られていますが、海外企業への投資は中国の電機自動車のBYDくらいでかなり限定的でした。
そのバークシャー社が異例ともいえる、日本の総合商社株を5社分も購入したという動きは今後の株価に影響を与えるものと思われます。
このことをきっかけに海外投資家が日本の株価に注目されるのではないでしょうか。
また、菅首相は「経済政策(アベノミクスの継承)」と「コロナウイルス対策」を最重視しています。
そんなところから、ふるさと納税やGoToトラベル関連の政策は引き続きとられるものと見られ、地方の関連株や宿泊、陸海空運業、飲食業の関連株は現状維持あるいは上向くと思われます。
菅政権の政策/スガノミクスは?
菅政権では、今のところ、次のような政策が取られるということが発表されています。
安倍政権時の政策を受け継ぐ部分も多いことから、スガノミクスと呼ばれる金融政策も含まれるようです。
①デジタル化
菅首相が一番に挙げているのは「コロナ対策」になります。
そして、二番目に挙げているのは、「縦割り行政の打破」です。
その中で、「デジタル庁の新設」というのが一つの目玉となっています。
これまで、それぞれの省庁で保有していたデータを一元化することで、さまざまな利便性を高めようというものです。
その一環として、マイナンバーカードを健康保険証として使用可能にするという動きや免許証と一体化させるなどの動きが見られています。
ただし、データの一元化は、いわゆる日本の縦割り行政を根本から見直す必要があり、仮にデジタル庁ができたとしても、各省庁の前向きな協力が必要であり、簡単には進まないのではないかともいわれています。
②コロナ対策
コロナ対策については、基本的に安倍政権の政策を継承するとなっています。
一方で、経済活動との両立も目指すとしており、金融緩和、財政投資、成長戦略を三本柱とするわゆるアベノミクスを継承するとも発表されています。
このようなことから、アベノミクスをもじってスガノミクスと言われています。
③少子化対策
少子化対策については、子育て世代がさらに安心して働けるようにとのことから、保育の受け皿整備を進めていくとしています。
待機児童の数は、2019年は調査開始以来最小となる1万2000人でした。
菅首相はさらに保育サービスを拡大し、この問題に終止符を打つと公言しています。
また、出産を希望する世帯を広く支援し、ハードルを少しでも下げていくために、不妊治療への保険適用を実現するとも公言しています。
④携帯料金値下げ
菅首相は携帯料金について、
「携帯料金というより電波利用料の見直しは、これはやらざるを得ない」
とコメントしています。
また、通信料金の引き下げが実現しない場合は、携帯事業者が国に納めている電波利用料を引き上げる可能性もあるとまで言っています。
2018年、官房長官時代には、携帯料金について「4割値下げできる余地がある」ともコメントしており、携帯料金値下げについてはかなり本気で取り組まれるものと見られます。
菅政権今後の株価推移は?
一般に長期政権になると株価は上がり、短期政権の場合は株価は下がるか上がったとしても小幅上昇となるといわれています。
過去の首相の在任期間と株価の様子を見てみると、在任期間が4年を超えた、佐藤栄作内閣、中曽根康弘内閣、小泉純一郎内閣、安倍晋三内閣(第二次)のときは、株価はいずれも上昇し、平均騰落率は+132.71%となっています。
逆に、1年以上3年未満までしか続かなかった内閣のときは、5内閣で株価下落、8内閣では上昇したものの、平均騰落率は+7.5%となっています。
1年以下しか続かなかった内閣のときは、5内閣で下落、3内閣で上昇となっており、平均騰落率は-8.8%と厳しい結果になっています。
ということで、今後の株価の動きは菅内閣がどれくらい長期政権になっていくかということも大きなカギとなってきます。
長期政権となるためのキーワードは「改革」であるともいわれています。
戦後、長期政権となった佐藤、中曽根、小泉、安倍政権時にはそれぞれ「改革」に成功しています。
中曽根政権時には専売公社(現JT)、電電公社(現NTTグループ)の民営化、国鉄(現JR)改革を成し遂げていますし、小泉政権時には、道路公団(現JH)、郵政(現JP)の民営化に成功しています。
また、安倍政権時には、アベノミクスと呼ばれる金融・財政成長で一定の成果をあげています。
菅政権でも、目先の株価の動向で一喜一憂するようなことなく、菅首相の考える政治改革を実現させることができていけば、おのずと長期政権となり、株価も上向くということになるのではと思われます。
まとめ
- 菅政権の基本路線は、安倍政権の継承とコロナ対策
- 菅政権の主な政策はデジタル化、少子化対策、携帯料金値下げがキーワードとなっている
- 菅政権の政策により通信各社の株はネガティブ。また、GoToキャンペーンの推進が進むことから宿泊、陸海空運業、飲食業の関連株きポジティブな動きを見せそう。
- これまで、内閣が長期政権だと株価が上がり、短期政権だと下がるという傾向がある
菅政権がどこまで改革を起こすことができるかが長期政権となるかどうか、また株価が上向くかどうかということに関わってきそうです。