「真犯人フラグ」に出てくるアイテムの中で、真犯人や事件の真相につながるのではないかと思われるアイテムはたくさんあります。
その中でも今回注目するのは、あるキーホルダーです。
凌介が持っていたキーホルダーから読み取れる真犯人フラグに隠されたあるメッセージを読み解きます。
真犯人フラグ犯人探しはキーホルダーが鍵?
注目するキーホルダーというのは、凌介の会社のデスクの上にあったもので、太宰治の小説「ヴィヨンの妻」の文庫本をかたどったものです。
文庫本をかたどったキーホルダーはかなり特徴的ですよね。
ただ、凌介は大学時代、文芸部に所属していたということで、一時は自分で小説も書いていたという設定になっています。
凌介は文学ファンということから考えれば、文庫本をかたどったキーホルダーを持っていたとしても不思議ではありませんよね。
最近は自分の好きなものをかたどったキーホルダーをオリジナルで作る人もいるようですので、市販のものではないものを持っていても珍しいことではありません。
この文庫本のキーホルダーが登場したのは、第1話でのことでした。
物語の中盤あたりで、クレーマーの木幡由美からのコールがあり、瑞穂が機転をきかせて丸くおさめるというシーンがありました。
その時、凌介のデスクがちらっと映り、そこには建築中の相良家の前で撮影した家族+林の写真とペン立てがあり、そのペン立てに文庫本のキーホルダーがひっかけられていました。
このキーホルダーがあまりに印象的だったので、物語に大きく関わる伏線ではないかということなのです。
では、この文庫本キーホルダーのモチーフになっている太宰治の「ヴィヨンの妻」というのはどんな物語なのでしょうか。
ざっくりと説明すると、生きることに苦しんで酒や女に溺れる夫とそんな夫を支えて愛し続ける妻の物語です。
妻は夫が作った借金を返済するために働きに出かけます。
ところが、働きに出た妻は夫以外の男性と関係を持ってしまうというストーリー展開です。
どちらかというと、ハッピーな物語ではありません。
ちなみに、この「ヴィヨンの妻」は、ダメ夫を浅野忠信さん、その妻を松たか子さんが演じて映画化もされています。
もし、こちらの作品が気になったという方は原作を読むか、こちらの映画をチェックされてもいいと思います。
「ヴィヨンの妻」は、どんなに無様であっても生きていくしかないというような結論で終わります。
凌介が好きな小説だから、その文庫本キーホルダーを持っているということなのかもしれませんが、「一番好きな小説」というには、ちょっと内容が暗すぎるともいえます。
では、この「ヴィヨンの妻」と「真犯人フラグ」とは、どのようにリンクしていくのでしょうか。
真犯人フラグキーホルダーから隠されたメッセージとは?
「ヴィヨンの妻」では、夫が酒や女に溺れたり、妻の方も外に別の愛人ができるというストーリーでした。
「真犯人フラグ」の第1話では、一見、凌介と真帆はとても仲良しで、それぞれ浮気など考えられないという様子に描かれていました。
しかし、文庫本キーホルダーは、実はそうではないということを暗示しているのではないでしょうか。
真帆の方は、事件当日、「パートは遅番」と凌介に伝えていたにも関わらず、実は早番であったという事実。
第2話では、パート先のスーパーの防犯カメラに、早番の退勤時間である午後5時過ぎに真帆がスーパーから出ていく姿が映っていることが確認されています。
早番であるのに遅番だとウソをついて、愛人と会っていたのではないかという考察が成り立つわけです。
また、その相手は、住宅メーカーの営業である林が怪しいと見られます。
第1話で家族写真を撮影する際に、真帆の息子が林を誘いますが、真帆は一瞬躊躇するような表情を見せます。
家族写真に自分の愛人である林が写ってしまうのをためらったのではないかと思われます。
そうなると、事件そのものが真帆の狂言で、事件当日午後6時に自宅の炊飯器でご飯が炊きあがるようにセットしたのも、自分が被害者であるということをアピールするための工作だったということになります。
ひょっとすると、林との共犯かもしれないという推理も成り立ちそうです。
一方、凌介も今のところは良きマイホームパパという感じではありますが、会社でいい感じの瑞穂との関係が気になります。
第2話では、事件解決のために瑞穂の力を借りることになりますが、瑞穂はそんな状況を楽しんでいるようにも見えます。
日野のバーで、凌介との関係を冷やかされてまんざらでもない感じをアピールしていました。
今後、愛人関係に発展していく可能性は大いにあり得ます。
また、同じ団地に住む菱田朋子との関係も気になります。
朋子は真帆の息子と同じ年の息子を持つという、真帆と一番のママ友ということになっていますが、第1話では、凌介のスマホにばっちり朋子の連絡先が入っている様子が描かれていました。
家族ぐるみの付き合いということなのかもしれませんが、もともと朋子と深い関係なのではと疑ってしまいます。
凌介と真帆の関係を改めて考え直してみると、二人は再婚したばかりなのではないかと考察することもできる節があります。
では、なぜそのように考えられるのでしょうか。
第1話を改めて見返してみると、二人は子どもたちの前では「パパ」「ママ」と呼び合っていましたが、二人きりになると名前で呼び合っています。
これは、最近まで夫婦関係にあったのではなく、恋人だったのでそうではないかと思われます。
また、子どもたちが二人のことをそれぞれ「パパ」「ママ」と呼ぶ描写がありませんでした。
つまり、子どもたちは凌介か真帆の連れ子であるという推理です。
凌介と真帆は同じ年で大学の頃から知っていたということですが、大学の頃から付き合っていて、そのまま結婚したとは誰も言っていません。
凌介の親友である日野と河村も古くから真帆のことを知っているとはいっていますが、凌介の妻として古くから知っているとはいっていません。
長女である光莉は凌介の連れ子、長男である篤斗は真帆の連れ子という可能性は十分にあり得ると思います。
そして、サッカーが得意という共通点から、篤斗の本当の父親は林なのではないかという推理もできてしまいます。
子ども関連でいうと、凌介のつとめる運輸会社の配達員である望月とプロシキマの社長である橘、そして、謎の女である陽香は三人とも年齢が23歳で一致しています。
そして、凌介と真帆は48歳です。
年齢だけでみると、望月、橘、陽香が幼馴染、あるいは同じ施設の出身で、親が凌介か真帆という可能性は大いにあり得ます。
25歳のときに産んでいれば年齢的に無理のない設定となります。
望月、橘、陽香の三人の年齢が一致しているというのは偶然ではない設定だと思われますので、今後ドラマを見ていくときに頭の片隅に置いておくとよいと思います。
まとめ
- 凌介の会社のデスクに、太宰治の小説「ヴィヨンの妻」の文庫本をかたどったキーホルダーがつりさげられていた。
- 「ヴィヨンの妻」は、酒と女に溺れる夫とそれを支える妻の物語。
妻は外に働きに出るが、外で別の男と関係を持つというストーリー。 - 文庫本キーホルダーは凌介と真帆にそれぞれ愛人がいるという伏線なのでは。
- 真帆は住宅メーカーの林と、凌介は会社の部下である瑞穂、同じ団地のママ友である朋子との関係が怪しい。
- 凌介と真帆は再婚同士ではないかとの疑いがある。
子どもたちが二人のことをパパ・ママと呼んでいないことや二人が二人きりになったときは名前で呼び合っているということが根拠。