宮城県知事選が、衆議院議員総選挙と同じ、10月31日に行われます。
立候補者は、現職の村井嘉浩氏と新人の長純一氏の2人で、どちらも無所属での出馬です。
村井嘉浩氏は1960年8月20日、大阪府豊中市生まれの61歳です。
現職の宮城県知事で、今回の選挙で5期目の当選を目指しています。
陸上自衛隊、松下政経塾、宮城県議会議員を経て、県知事になりました。
自衛官出身者では初の都道府県知事です。
そんな村井嘉浩氏の経歴や学歴、評判をチェックしていきましょう。
村井嘉浩の経歴は?
1984年 防衛大学校本科(理工学専攻)卒業
1984年 陸上自衛隊 入隊
1991年 自衛隊宮城地方連絡部募集課広報班長 就任
1992年 陸上自衛隊 退官、松下政経塾 入塾
1995年 松下政経塾 卒塾
1995年 宮城県議会議員選挙 当選
2005年 宮城県知事選挙 当選
2009年 宮城県知事選挙 当選(2期目)
2011年 東日本大震災復興構想会議委員 就任
2012年 復興庁復興推進委員会委員 就任
2013年 宮城県知事選挙 当選(3期目)
2017年 宮城県知事選挙 当選(4期目)
村井嘉浩氏は、防衛大学校を卒業し、陸上自衛隊に入隊しています。
当時ヘリコプターパイロットとして、上空から東北の地を眺めた時、地域のポテンシャルを感じたと語っています。
それがきっかけで、縁もゆかりもなかった宮城県に骨をうずめる決意をし、県知事になりました。
陸上自衛隊退官後、松下政経塾に入塾しています。
安心・安全のまちづくりを実現したいという思いで、災害対策・危機管理の調査研究に取り組みました。
宮城県議会議員時代には、自由民主党に所属し、3期連続当選を果たしています。
宮城県知事選挙への出馬時には、無所属(自民党推薦)で当選しました。
前知事の後継指名を受けていた候補者と(のちの三重県津市長)、日本共産党推薦候補者を破るという快挙でした。
その後の知事選では、政党の推薦を受けず無所属で出馬したにも関わらず、各党の推薦候補者を次々と打ち破り、4選を果たしました。
特に、2017年の選挙では、宮城県政史上最多得票も記録しています。宮城県民からの強固な支持が感じられますね。
東日本大震災発生時には、内閣官房による東日本大震災復興構想会議の委員を務め、復興庁復興推進委員会委員にも就任し、東北の復興にも尽力しました。
村井嘉浩の学歴
1980年 大阪明星高校 卒業
1984年 防衛大学校本科(理工学専攻) 卒業
村井嘉浩氏が卒業した高校は、地元大阪府にある私立大阪明星(めいせい)高校です。
カトリックの中高一貫男子校で、著名な卒業生には、元プロ野球選手の岡田彰布選手や、料理研究家の土井善晴さん等がいます。
高校卒業後は、神奈川県の防衛大学校本科に進学しています。
そして、陸上自衛隊へ入隊し、陸上幕僚長の湯浅悟郎、グッドウィル・グループ創業者の折口雅博、日本電産社長の関潤、不動産投資家の倉石灯等と同期になりました。
村井嘉浩の政策や実績は?
【村井嘉浩の政策】
- みやぎ型管理運営方式の推進
- 仙台医療圏4病院の再編構想
- 新型コロナウイルス感染症対策
- 東北電力女川原発2号機再稼働の同意
村井嘉浩氏は、今回の知事選で主に、東日本大震災のポスト復興・アフターコロナ対応・急激な人口減少への対応を争点として考えています。
東日本大震災の復興については、被災者のメンタルケアや地域コミュニティの再生に向け、市町村や民間団体と連携した支援を行う方針を持っています。
コロナ対応については、これまでの取組み継続の重要性を訴え、医療提供体制の確保・円滑なワクチン接種体制の構築・納税猶予・貸付制度等を検討しています。
「みやぎ型管理運営方式」は、現職である村井嘉浩氏の下、2021年7月5日に県議会で関連議案が可決された新たな水道事業計画です。
上下水道と工業用水の運営権20年間分を民間に一括売却するというもので、厳しい経営環境にある水道事業について、水の安全・安心を確保した上で水道料金の上昇を抑える狙いがあります。
来年4月の事業開始を前に、今回の選挙で県民にその是非を問う形となりました。
加えて、選挙の公約に掲げているのが、仙台医療圏4病院の再編です。
仙台赤十字病院と県立がんセンターを統合して名取市に、東北労災病院と県精神医療センターを合築して富谷市に移転させ、総合病院として開院させることで地域医療の課題解決を目指すものです。
女川原発2号機については、震災後に強化された安全性や防災対策等を総合判断し、再稼働を同意する立場です。
もう一人の候補者は、同意を撤回すべきとの立場にあるため、こちらも投票先を決める際の重要な論点になりますね。
【村井嘉浩の実績】
- 「水産業復興特区」構想
- 子どもを犯罪の被害から守る条例
- みやぎ型管理運営方式
村井嘉浩氏は、他の国や都道府県で類を見ない提言や政策を行ってきました。
「水産業復興特区」構想では、これまで漁業協同組合に優先的であった漁業権を廃止し、地元企業等の民間資本参入を促す仕組みを作りました。
これにより、水産会社等を経由して社員募集することも可能となり、漁業後継者不足の解消が見込まれました。
東日本大震災から地域漁業が早期復興できるように導入した特区でしたが、県漁業協同組合への事前相談がなかったことで地元漁師の反発が強くなったという側面もありました。
2015年には、小学生を対象とした犯罪抑止のための「子どもを犯罪の被害から守る条例」案を提出しました。
付きまとい行為等を禁止し、違反した場合には罰金を科すものです。
当初は、性犯罪前歴者やDV加害者にGPSの常時携帯を義務付ける条例案を検討していましたが、日本どころか世界でも例がない前代未聞の条例案であり、人権の観点からの反対や、東日本大震災の発生により実現しませんでした。
「みやぎ型管理運営方式」は、今回の選挙の争点にもなっていますが、導入されれば全国初の水道運営方式となります。
人口減少や設備老朽化による利用者の負担を抑えるためと説明している一方で、外資系企業参入に対する不安や運営形態の不透明さにより、導入反対の署名が約2万筆集められています。
常に、反対の声を浴びてきた村井嘉浩氏は、「批判を恐れて何もできないでは知事失格」と言い切っています。
急速な人口減少に危機感を持ち、改革を断行していく覚悟が感じられますね。
村井嘉浩の評判は?
村井嘉浩氏の思想が新自由主義・新保守主義の色が濃いことから、サンデー毎日から「宮城の小泉」と評されたたことがありました。
県民は、村井嘉浩氏の自衛隊仕込みの度胸や、長年県知事を務めてきたことを評価する声がありましたが、水道事業や原発に関しては疑問を呈する方も多いようです。
村井嘉浩が再選する確率は?
村井嘉浩氏の再選確率は低くはないでしょう。
ただし、4病院再編や水道事業については県民の反対や批判の声も多いことから、前回のような圧倒的な得票数での当選は難しいかもしれませんね。
村井嘉浩の妻や子どもは?
村井嘉浩氏の家族構成は、妻と娘2人の3人家族です。
東日本大震災の際には、家族揃ってボランティア活動に参加していました。
妻は、村井一美(むらい かずみ)さんです。
2013年まで更新されていたFacebookアカウント「村井よしひろ後援会事務所」で、時々投稿をしていた方なので、知っている方もいるかもしれません。
夫婦仲がよく、娘からのろけていると突っ込まれることもある程です。
娘は、長女の村井希衣(むらい きえ)さん、次女の村井志帆(むらい しほ)さんの2人です。
長女は早稲田大学を卒業しており、次女の卒業大学は不明ですが、留学経験がある国際派です。
社会人として、それぞれのフィールドで活躍していることでしょう。
まとめ
- 現職宮城県知事の村井嘉浩の年齢は、1960年生まれの61歳で、大阪府豊中市の出身です。
- 村井嘉浩の学歴は、高校まで地元大阪で進学し、防衛大学校本科を卒業
- 村井嘉浩の経歴は、陸上自衛隊、松下政経塾を経て、宮城県議会議員に3期連続当選
- 村井嘉浩は、現在宮城県知事になって4期目を迎えている
- 村井嘉浩が今回の選挙で重視しているのは、東日本大震災のポスト復興・アフターコロナ対応・急激な人口減少への対応です。
- 村井嘉浩の家族構成は、妻、娘2人の3人家族です。