2020年10月5日に、国交省が新たな在宅勤務を対象とした、新たな在宅勤務用リフォーム補助制度を創設との記事が、日経新聞の朝刊で報道されました。
この記事を見て在宅勤務をしている方を始め多くの方が、喜びの声を上げています。
では、今回の在宅勤務用リフォーム補助制度とはどんな制度なのでしょうか。
そこで在宅勤務用リフォーム補助制度はいつから始まるのか、そしてどの様な内容なのか、
対象住宅はどんな家なのか、補助金額はどれくらいなのか、そして注意点はどんなことがあるの、気になることを調べてみましたのでご紹介します。
在宅勤務用リフォーム補助制度はいつから?
2020年10月5日(月)付の日本経済新聞朝刊の記事によりますと、
テレワークで地方移住した方に対し、最大100万円の補助が出るとニュースがありました。
国土交通省は、新型コロナウイルス感染拡大に伴い、全国的にリモートワークが普及していることを考慮し、新型コロナウイルス感染拡大防止や働き方の多様化に応えるため、2021年度予算概算要求の中に、在宅勤務用の自宅リフォーム費用を3分の1を補助する新制度の創設を検討している
リフォームの補助金に関しては、補助事業の内容は多いのですが、在宅勤務に対しての補助は非常に珍しく、今回の新制度の創設については、概ね好感をもって迎えられているようです。
制度の内容についての詳細は、日経新聞による報道のみで不明ですが、2021年度予算の概算要求の中に、在宅勤務用リフォーム補助制度の関連経費を計上が盛り込まれたことが判明しただけです。
来年度予算案については、今後の国会で審議されていくことになりますが、この事業案が国会で承認されれば、2021年4月以降に制度を利用できることになると思われます。
また、予算案の規模が不明であるため、どの程度の方が利用できるのかもわかっておりません。
この制度案が国会に承認され、一日も早く制度が利用できるようになってほしいです。
在宅勤務用リフォーム補助制度の対象は?
【対象となる自宅の対象】
一戸建てとマンションの両方で、会社員や個人事業主がこれに該当
既存の企業などは当てはまりません。
住宅の補助金はこれまでも数多くありますが、国交省の説明よりますと、省エネや耐震性能を向上させるリフォーム費を補助する「長期優良住宅化リフォーム推進事業」の補助金の中に、新たに在宅勤務を対象に付け加えるとしています。
在宅勤務のための増築や防音対策や間仕切り設置などのリフォームを後押しし、新型コロナ感染拡大防止や働き方の多様化に対応するものとして、大きく期待されています。
在宅勤務用リフォーム補助制度は100万円が上限?
報道などでは上限が100万円の補助という言葉が先行しているようですが、純粋に100万円の補助が出るのではなく、総工事費用の1/3を補助するということになっております。
300万円の工事をすれば上限が100万円の補助金が出るということになります。
中には申請すれば100万円もらえると、喜んでいる方もいるかと思いますが、残念ながら自分のもとには払い込まれることはありません。
例として長期優良住宅化リフォーム推進事業の場合で見てみますと、リフォーム制度利用のための申請や手続き等は施工業者が行います。
補助金の支払いに関しても、施工業者に支払われるため自分の手元には入ってきません。
おそらく今回の在宅勤務用リフォーム補助も同じ形式になるのではないかと思います。
そして、施工代金のうち補助金を引いた残額を支払うという形になります。
自分の手元に入らないため、嬉しさが半減してしまうかもしれませんが、画期的な事業であることは間違いなく、在宅勤務を行っている方は是非利用してほしいと思います。
また、工事の内容によっては補助の対象とならない場合があるため、今後の詳細を見極めた上で、利用したほうがいいかもしれません。
在宅勤務用リフォーム補助金内でできる工事は?
現在の情報で判っていることは、在宅勤務に対する増築や防音対策、間仕切り設置費用となっています。
例えば最近はやりのYouTubeで動画配信をする方が増えてきていますが、やはりご近所への配慮を考えた時に、あまり大きな声や音声を出すことに対し遠慮がちになってしまいます。
そんな時に、屋外への音漏れ防止を強化するための窓への交換や、壁に防音シートを設置したりすることが当てはまるのではないでしょうか。
また、生活空間を大切にしたい方には、仕事に集中するためにパーテーションを設置したりすることも考えられます。
ただし、在宅勤務のためだけのリフォームは補助の対象とならないようです。
今回の推進事業はリフォームによって長持ちする住宅を整備することを目標としており、リフォームに合わせて耐震工事や省エネ化、劣化対策などを施した場合に限られます。
リフォーム前に専門家が住宅を検査したり、改修の履歴を記録したりするなどの条件もあり、申請すれば全て認めてもらえるということではなさそうです。
ネット回線の整備や家具の購入などは、リフォームとみなされず対象外となるようです。
在宅ワークの内容により施される設備の仕様が異なるため、もしリフォームを考えている方は、一度施工業者に相談されてはいかがでしょうか。
こちらに関しても、何か詳しい情報が入りましたら、追記をして紹介していきたいと思います。
在宅勤務用リフォーム補助制度の審査基準は?
在宅勤務用リフォーム補助制度の審査基準に関しても、現在のところ詳細は判っておりません。
申請された内容が、増築や防音対策として適切な内容であるかどうかが基準となるのではないかと思います。
申請を行えば、専門家による住宅の検査や、どのように改修したのか履歴を記録しそれを確認する作業もありますので、リフォーム内容が適正でない場合は、申請を行っても許可が下りない場合もありそうです。
審査基準に関しても、どの様なガイドラインになっているのか、早く知りたいと思います。
在宅勤務用リフォーム補助制度の注意点
今回の補助制度についての注意点としては、前述のように単なる改修工事であれば対象にならないということです。
長期優良住宅化リフォーム推進事業の中に追加されるとうことから考えますと、やはり長期にわたり使用できる環境整備ということです。
また、補助金の上限が100万円となっていますが、この制度を利用するためには特定性能向上工事が必須工事となると思われます。
長期優良住宅化リフォーム推進事業では、総工事費が300万円であれば、その内特定性能向上工事(必須工事)が90万円だった場合、その1/3の補助であれば30万円になります。
そして、その他の改修工事が210万円かかったとしても、補助金額がこの特定性能向上工事の補助金額を超えてはならないということになっており、その他の改修工事に対しての補助も30万円となります。
すると補助の合計金額が60万円となり、上限が100万円と油断して工事をしてしまうと、40万円多く支払わなければなりません。
今回の制度も事業の本質からすれば、同様の注意が必要になると思います。
現在、どの程度の予算になるのかわからず、予算がなくなれば打ち切りの可能性もあるため、もしリフォームを検討しているなら、早めの準備が必要になるかもしれません。
まとめ
- 在宅勤務用リフォーム補助制度は、来年度予算案の中に関連経費が計上された。
- 在宅勤務用リフォーム補助制度について、実施時期は不明だが2021年4月以降の利用になるのではないかと予測できる。
- 補助金制度について対象となるのは、一戸建てやマンションの両方が対象となり、会社員や個人事業主がこれに該当
- 在宅勤務用リフォーム補助制度について、上限が100万円となっていますが、工事内容によっては100万円以下となることも考えられる
- 補助金制度は、リフォームにより長持ちする住宅となることが前提となる
- 工事内容は、防音や間仕切りの工事の他、耐震や省エネ化、劣化対策も工事の対象となる
- リフォームの工事には、特定性能向上工事が必須工事となると予想
今回の在宅勤務用リフォーム補助制度は、まだまだ詳細が不明のため、今後の議論を見極めた上で申請することが重要と思われます。
在宅勤務されている方にとってとても重要な法案であるため、予算の規模も大きくしてもらいたいですね。
これからもこの事業について、注目してきます。