中谷雄飛選手は、現在早稲田大学4年生出身高校は、長野県にある佐久長聖高校です。
この出身高校からこの大学へ進学の流れどこかで聞いたことないですか?
あの有名な東京オリンピックマラソン内定者と同じ出身高校、大学です。
最後となる2022年の箱根駅伝では、3区を任されることが予想できますが、どんな走りをするか中谷雄飛選手の強さの秘訣に迫っていきます。
中谷雄飛の出身中学高校は?成績は?
トラックゲームズinTOKOROZAWA
全日本インカレの悔しさをぶつけるレースができました。
応援ありがとうございました。 pic.twitter.com/Pb8uZKJDO4— 中谷雄飛 / YUHI NAKAYA (@Yuhi1230saka46) October 11, 2020
中谷雄飛選手の中学時代、高校時代の成績やどのようなマラソン人生を歩んできたのかご紹介します。
大学時代
中谷雄飛選手は佐久長聖高校を卒業後、早稲田大学に進学しました。
佐久長聖高校→早稲田大学という流れは東京オリンピックマラソン内定者、大迫傑選手と一緒です。
中谷選手は大迫選手のことを憧れの選手、そして目標の人物に挙げており、将来的には同じ舞台、マラソン選手として活躍したいと語っています。
そんな中谷選手ですが、高校時代のような活躍ができず、壁にぶち当たります。
1年生のときは大学三大駅伝全てに出場。
- 出雲駅伝 3区 4位
- 全日本大学駅伝 3区 2位
- 箱根駅伝 1区 4位
- 都道府県駅伝 7区 3位
以上の成績は通常の場合、1年生としては素晴らしいですが、高校時代の活躍を考えると中谷選手には物足りない結果です。
トラック競技においても、関東インカレで1500m、14分45秒31と高校生の時よりも1分以上遅いタイムでした。
1年生の時点でのポテンシャルは世界の大迫よりも上と言われた中谷選手。
世間から注目を浴びていたスーパールーキーは、その期待に十分応えることができませんでした。
その時に高校の頃に取り組んでいた、クロスカントリー練習を再度取り入れたり、佐久長聖高校時代の監督の高見沢監督に相談したりするなど少しずつ調子を戻していくことができました。
現状を打開すべく、箱根駅伝終了後、単身でケニア修行に行きました。
そこで、「生きるために走る」というハングリー精神を目の当たりにしました。
歯を食いしばりながら走る、その精神が自分に足りていないと気づくことができました。
2年生となった2019年は長らく不調やケガに苦しみました。
前半シーズンは記録を狙って連戦になったことで疲労が積み重なり、練習が途切れることがありました。
その後も、左足を中心に故障が相次ぎ、駅伝シーズン開幕大会の箱根駅伝予選会も出場できませんでした。
しかし、そこで無理をしなかったことにより、冬には怪我も治り、レースに出走できるようになりました。
2年生の時の駅伝大会の結果は以下の通りです。
- 全日本大学駅伝 3区 6位
- 箱根駅伝 1区 6位
- 都道府県駅伝 7区 2位
都道府県駅伝ではアンカーとして設楽悠太(Honda)選手、相澤晃(旭化成)選手などを抑え、優勝のテープを切ることができました。
しかしながら、2年生の時も個人として区間賞を取ることはありませんでした。
早稲田大学入学後、2年間思うような結果を残せなかった中谷選手。
3年生となった2020年、憧れの大迫選手が開催する合宿、「Sugar Elite」に参加します。
この合宿は、世界で戦うために強さを求める学生たちが、高校、大学の垣根を超えたチームとして高め合うというものです。
普段、一緒に生活にするのことないメンバー同士が集まることで、どういう生活や練習をしているのか多くの気づきの点があったと本人は振り返ります。
合宿後に行われたホクレンディスタンスにて、遂に高校までの自分に打ち勝ちます。
1500mにて自己ベスト13分39秒21をマークしました。
世代最強と言われ早3年、ようやく殻を破ることができました。
その後に開催された「トラックゲームズin TOKOROZAWA」では10000mに出場し、28分19秒27をマーク、こちらも自己ベストを更新しました。
また、全日本大学駅伝においては3区で区間賞を獲得しました。
大学3年生になり、遂に世代トップに復活。
しかし、高校時代と異なり、中谷選手の実力が完全に秀でているわけではありません。
現在、現役大学生日本人ランナーの中では、10000mの持ちタイムは5位、5000mは4位と上位ではありますがトップではありません。
本人も、
「この世代ではトップかもしれませんが、他の学年を見れば自分よりも速い選手はたくさんいます。特に意識するのは駒大の田澤廉選手。1学年後輩ですが、トラックの記録は自分よりも上なので、負けられません」
とライバル視しています。
また、田澤選手も中谷選手のことをライバルだと思っており、駅伝大会の直接対決で打ち勝ちたいと話しています。
2020年12月に開催された日本選手権では日本選手権に出場しました。
順調に練習を積むことができていたこともあり、27分54秒06で組2着に入り存在感をアピールしました。
またこの時にともに出走した早稲田の同期の太田直希選手の存在も大きかったようです。仲間に負けたくない気持ちが中谷選手の好走につなげたのです。
この結果は史上初同レースで同大学の選手が27分台を出した、歴史的なレースとなりました。
しかし、日本選手権の疲れもあってか2021年の箱根駅伝では3区に出走し、1時間3分29秒で区間6位で悔しい思いをしました。
今後の目標は「箱根駅伝の区間賞」と「ユージン世界選手権の出場」です。
高校時代
中谷雄飛選手は中学を卒業した後、長距離競技で名を馳せる長野県佐久長聖高校に進学しました。
1年生のときは、周りのレベルが高く、練習についていくのがやっとでした。
初めての全国高校駅伝は2区で19位というほろ苦い結果になりました。
2年生のときには、練習の成果が出始め、全国高校駅伝 3区3位、都道府県対抗男子駅伝 1区2位、日本陸上選手権クロスカントリー優勝といった高校を代表する選手にまで成長しました。
3年生のときは、「世代最強」と言われ、それにふさわしい活躍ぶりでした。
インターハイと国体ではそれぞれケニア人留学生に次ぐ日本人トップの4位と2位。
5000mにおいても、当時高校歴代5位の13分47秒22を残しました。
最後となった全国高校駅伝では1区で区間賞を獲得。
また印象的だったのは長野県高校駅伝での1区区間新記録です。長野県の1区は全国の中でも最もきついコースとして知られており、マラソン元日本記録保持者の大迫傑選手や北京オリンピック日本代表の佐藤悠基選手ですら達成できませんでした。
そんな中区間記録を10秒以上更新する29分03秒のとてつもない記録を打ち出しました。
それもあり全国高校駅伝では日本人最高記録が出るのではないかと期待されていました。
残念ながら29分15秒で日本人最高記録を出すことはできませんでした。
しかし、この時には自分自身で最初から最後まで引っ張り続け、力があることを証明したレースになりました。
ラスト400メートルで九州学院の井川選手がスパートをしてきますが、しっかりと競り勝ち、強さを見せつけました。
のちに井川選手も早稲田大学に入学し、チームメイトになります。
正に、「周りに敵なし」という状態で素晴らしい成績を収め、高校生活が終了いたしました。
中学時代
長野県下諏訪町出身の中谷雄飛選手は、地元の下諏訪中学校に通っていました。
本格的に陸上を始めたのは中学校からで、小学校までは水泳をメインに行っていました。
中学校に上がると水泳を止め、陸上一本で活動することになりました。
長野県縦断駅伝の王者、「全諏訪」クラブに所属し、練習に励みました。
その結果、中学3年生のときに、全国大会の1500mで8位という結果を収めました。
その後、長野県代表として都道府県対抗男子駅伝を走りたいという思いから3000m、5000mといった長い距離にシフトしていきます。
中谷雄飛の自己ベストは?
- 1500m 3分47秒24
- 3000m 8分00秒19
- 5000m 13分39秒21
- 10000m 28分19秒27
- ハーフマラソン、マラソン 未出走
中谷雄飛の強さの秘訣は?
第51回全日本大学駅伝終わりました。
総合6位、3区区間6位でした。
個人としては、他大学の選手との力の差を大きく感じる結果となりました。まずは足をしっかり治し、今後の試合で悔しさを晴らせるように頑張ります。応援ありがとうございました。#全日本大学駅伝 #3区 pic.twitter.com/0PN1tBIxEn— 中谷雄飛 / YUHI NAKAYA (@Yuhi1230saka46) November 3, 2019
中谷選手はマラソン競技で活躍している大迫選手を目標にしていることから、将来的に世界陸上、オリンピック出場を目標にしています。
その目標に向かって、今現在何をすべきか明確にしています。
「納得するまでトラックで勝負。日本記録を超える記録で走りたい。」
このような人一倍熱い思いを持って陸上に取り組む姿勢が中谷選手の特徴であり、強みです。
これまでトップを言われ続け、それに応えたいという自分自身の気持ちもあると思います。
近い将来、日本人トップとして世界に挑む姿を見る可能性を秘めています。
中谷雄飛が履いてるシューズは?
中谷選手はどの大会においてもナイキの最新の厚底シューズを愛用しています。
現在は、「ナイキ エア ズーム アルファフライ ネクスト%」というシューズを履いています。
キプチョゲ選手が人類初の2時間切りを達成したときに履いていたシューズになります。
しかし、トラック競技では、2020年12月1日から靴底25mmを超える厚底シューズは非公認タイムとなることが発表されました。
中谷選手が履いているシューズは約40mmの厚底シューズであり、規制対象となります。
今や、トラック競技においてもスパイクを履いている選手は少なく、多くの選手がマラソンシューズを履いて出走しています。
今後、トラック競技でどのようなシューズを履くのか、タイムは変化していくのかといった点が注目ポイントです。
なお、駅伝の方はトラックほど厳しい制限はないため、ナイキの厚底シューズは正式記録に残るシューズとなります。
先日行われました全日本大学駅伝2020では区間賞を獲得した全員がナイキの厚底シューズを着用していました。
多くの大学生ランナーが厚底シューズを愛用する現在は、シューズの差よりも実力の差がタイムの差に繋がっていると言えます。
また、今では規制が強化されましたが、厚底シューズで使っていたズームXという素材が使われたナイキドラゴンフライというスパイクをトラックで履いている選手が多いように見受けられます。
中谷選手もその一人でこのスーパースパイクを履いたことによって10000mで27分台が出たと言ってもいいでしょう。
中谷雄飛は箱根駅伝で何区を走る?
中谷雄飛選手は、2022年の箱根駅伝では3区を走ると予想しています。
中谷選手は単独走が強く、高校の頃は一人で先頭を走ることも多かったです。
また前回大会のうまく走れなかった悔しさを今回のばねにしてきてリベンジしたいと思っていると予想します。
中谷選手は2年間、箱根路を1区で出走し、上位でタスキをつなぐことで、「流れ」を作ってきました。
3年目となる箱根駅伝2021においても、3区を任され6位の1時間3分29秒で走りぬきました。
過去の経験と、現在の調子を考慮するとトップでタスキを繋ぐことは大いに考えられます。
しかし、絶対的エースを1区に持ってきた場合、2区、3区といったエース区間で他校に逆転されことが想定されます。
特に2年前の箱根駅伝2019では1区で4位だったものの、2区、3区で順位を落とし、最終的に、総合成績12位と13年ぶりにシード権を落としました。
4年生に有力者がいない今年の早稲田大学は、トラックゲームズin TOKOROZAWAで中谷選手と並走し、ほぼ同タイムで駆け抜けた太田直希選手、10000m 28分台の鈴木創士選手を軸としたメンバーを適材適所に配置することが重要です。
箱根駅伝2021で目標の3位以内に入れるか、相楽豊監督の選手配置に注目です。
まとめ
- 中谷雄飛選手は、2020年現在、早稲田大学の3年生。
1、2年生の時は怪我やスランプで結果が残せなかったが、3年生の時に
自己ベストや区間賞など秀でた記録を出し、復活を果たしている。 - 中谷雄飛選手の出身高校は、長野県佐久長聖高校。
高校3年生のときには世代最強と言われ、どの大会に出場しても優勝、区間賞という正に「負けなし」状態。 - 中谷雄飛選手の出身中学校は下諏訪中学校で、全諏訪クラブに所属し、実力を付けた
- 中谷雄飛選手の強みは、明確な陸上人生設計を立て、それを活かし結果を残している点
- 中谷雄飛選手の自己ベストは以下のとおり
1500m 3分47秒24
3000m 8分00秒19
5000m 13分39秒21
10000m 28分19秒27 - 中谷雄飛選手のシューズはナイキの厚底シューズ、「ナイキ エア ズーム アルファフライ ネクスト%」を着用